KGS囲碁日記、 囲碁4コマなど
今日のNHK杯の見どころは、依田紀基だった様に思う。
囲碁将棋ジャーナルや、新春お好み囲碁で解説していたのを
見た事はあるが、NHK杯の解説では初めて見た。

依田の頭の中というか、思考回路の一端が
垣間見れたようで興味深かった。
「形」や「筋」、「効率」といった単語が何度も出てくる。
万波さんに形勢を聞かれて、
「石の効率からすると、黒が20目は勝ってないと話が合わない」
などと返答する。 地を数えている訳じゃないのだ。
武宮正樹なんかもこういう言い方をする。

それでいて、自身の碁には半目勝ち(負け)が多い。
この人の碁は、私などには観ていても
さっぱり解らない事が多い。
不可解な捨て石などを駆使し、中盤優位に立つと
(あくまで解説によるとです。見ててもわかりません)
今度は一転、緩んでるんじゃないか位に手堅く打ち進め、
終わってみると、きっちり半目勝ち。
こういうのを、どう評したら良いのだろう?

昔、私が製造現場の検査部門で働いていたころ、
1000分の1mm 単位を計っちゃう人がいた。
「こっちの部品がOKで、そっちのがNGね」
と言われても、私にはさっぱり解らなかった。
匠の技というか、神技のように思えたものだが、
依田の碁には、あれに近いものを感じる。

にぎやかな碁を好む私は、故に
依田の碁にはあまり魅かれないのだが、
それでも私が依田を大好きなのは、この人の人間性による。
面白いので、2ちゃんねるの依田スレッドより、
いくつかエピソードを抜粋引用する。

・小中学校時代は劣等生で、通知表の成績はほとんど1だった。
・プロ入りした時のインタビューではほとんど喋らず、
 のちになぜあの時 喋らなかったのかを聞かれて
「バカがばれるのが怖かった」とコメント。
・18歳で名人リーグ入りの最年少記録(当時)を達成。
・小学生名人に二子を置かせて記念対局した際には、対局前に
「二子で負けるなんて 考えられない。ぶっ潰してやります」
 と、小学生相手に大人気ない勝利予告をする。
・その宣言通りに潰して勝利。
・趣味は、毎日約五時間を費やす公園での散策
・名人奪取後に受けた週刊誌のインタビューでは
 囲碁のことはほとんどしゃべらず、 なぜか当時ハマっていた
 シミュレーションゲーム『三国志』についてアツく語る。
・小林覚九段が傷害事件を起こした際に、
 罰として便所掃除を提案。
・自宅の住所を憶えておらず、帰宅できなかったことがある。
・自分の家の電気のつけ方がわからず、
 友人を呼んでつけてもらったことがある。
・対局開始時に「ここに打て」という天の声を聞き、
 それに従って前代未聞の布石を試す。

…どれをとっても只者ではない。

他の先生方の、
東大出身→銀行員→プロ棋士9段
京大出身→医師→碁聖位獲得
等の経歴にも私は驚嘆し、その能力と努力に感服する。
しかし好みとしては断然、依田紀基だ。
棋士には、どこか浮世離れしていてほしい
と願うのは私だけだろうか?

最近タイトルから遠ざかっているけど、
藤沢秀行亡き後、ぜひその系譜に連なってほしいと思う。
スポンサーサイト

【2011/01/30 17:10】 | 囲碁一般
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック