KGS囲碁日記、 囲碁4コマなど
年頭に囲碁関連の本をあれこれと購入。
といっても詰め碁などの戦術指南書ではなく
小説やコンピュータプログラムの本なのだが、
ほろ酔いで調子に乗って衝動買いした割には
どれも当たりであった。

「落日の譜」
 (団鬼六 著・筑摩書房)


明治から大正にかけて、本因坊秀哉と
21世本因坊の座をかけて争った
雁金準一の物語である。
私は囲碁ファンを自称しているが、
この時代の棋界の歴史など何一つ知らず、
実に興味深く面白く読めた。
棋士といえば、ただ一途に盤上の真理のみを目指す
純粋な人種というイメージが私の中にはあったが、
本因坊家の跡目争いのみならず、幕府の後ろ盾なきあとの
方円社との勢力争いなど、どろどろの政治抗争に
あけくれていたころもあったのだ。
その中で一人、筋を通し
そして敗れていった男の物語である。
惜しむらくは、著者の団鬼六が急逝したため
未完に終わってしまった事であるが、
高木祥一9段による「その後の雁金準一」
が解説として補完されている。

以前、団鬼六のエッセイで、
人工透析を受けているという様なことが書かれていたが、
このころ病と闘いながらこれを執筆していたのか
と思うと胸が詰まる。
もっともエッセイを読む限りは、
このような状況下でも悲壮さを感じさせない。
看護師の女性にサインをねだられ
「A子ちゃん(看護師の名前)、やらせて」
などと色紙に書き、
嫌がられるどころか、大いに喜ばれたというから
さすがに大物である。


「盤上の夜」
 (宮内悠介 著・東京創元社)


連作短編集なのだが、それぞれの作品が
囲碁などのボードゲームをモチーフに書かれている。
四肢を失い囲碁を肉体感覚とする様になった女流棋士
を書いた表題作も秀逸なのだが、
私が一番面白かったのは、チェッカーを題材にした
「人間の王」だ。
実在したチェッカー無敗のチャンピオン、
ティンズリーの物語である。
無敗と言っても、彼も生涯で何度か負けている。
生涯で1万局以上戦って
しかしその数、わずか16敗(!!!)
しかもそれは、覚えたての学生時代なども含めての話である。
…(^_^;)
そんな神掛かった天才が、コンピュータプログラムに敗れ引退。
その後、チェッカーの完全解が
コンピュータによって導き出されたと知った時、
彼は何を思い、何を感じたのか?
…聞いてみたいとは思いませんか?


「コンピュータ囲碁
 モンテカルロ法の理論と実践」
 (松原仁 編 美添一樹・山下宏 著 ・共立出版)


前項と関連するが、コンピュータプログラムの解説書。
1997年、チェスのチャンピオン・カスパロフを
コンピュータ・ディープブルーが敗り、
将棋においても昨年、元名人・米長邦雄が
コンピュータ・ボンクラーズに敗れた。
それでも囲碁だけは、プログラム化(評価関数の作成など)
が難しく、長らく棋力が停滞していたが、
モンテカルロ法
(乱数を用いてシミュレーションを行う手法)
を取り入れる事により近年飛躍的に強くなっているという。
いつか、コンピュータが名人を敗る日が来るのかもしれない。

また、モンテカルロプログラムの登場により、
ソフト開発の敷居が低くなった様なので、
興味のある方は挑戦してみられたらいかがでしょうか?
(C++ のソースコードを用いて解説してあるので、
ある程度の知識は必要ですが…)
でも、「お前はどうなんだ?」
と聞かれれば、私には無理だと思います。
以前 「猫でもわかるC言語」 という本を買ったら、
これがなかなかに手強く、
「オレは猫以下か!?」
と何度も思いました。
簡単なじゃんけんゲーム位は作れるようになったけれど、
叫ぶCプログラマー・藤本裕之氏の言うように
「日本語ができる事と日本語で詩が書ける事とは別」
なのだと思う。
今日は成人の日。
出でよ! 若きモンテカルロ詩人!!
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【2013/01/14 11:15】 | 雑談
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