KGS囲碁日記、 囲碁4コマなど
分不相応な願い事ならともかく、
日常のささやかな願い事なら割と叶う時もある。
前回、囲碁関連の本をもっと読みたいという様な事を
書いたとたん、さっそく本屋でこんな新刊を見つけた。

「直観力」 マイケル・レドモンド著(海竜社)

NHK講座や解説でもおなじみのレドモンド9段。
欧米人で初めてプロ棋士9段まで上り詰めた人でもある。
囲碁について、日本について、人生について…
様々なテーマで語られており、実に面白かった。

直観と大局観の違いなど自らの囲碁観を記した第1部も
いいんだけど、やはり白眉は自身の半生を綴った第2部であろう。
アメリカの片田舎の天才少年が、日本に来てプロ棋士に挑戦。
10面打ちの中の一人として、しかも置き石は7つ。
負けるはずが無い!
そう思った。
しかし、結果は1目半負け。
しかも相手からは、緩めていい勝負に持ち込ませたような
気配すら感じられた。
13歳の夏のこの出来事が、自身の運命を決定づける。

「このとき、私の中で何かが動いた。
 自分は碁が強いのだと
 どこかで天狗になっていたことは間違いない。
 その鼻が、いとも簡単にへし折られた。それと同時に、
 囲碁の世界の底知れない奥深さを感じざるを得なかった。
 私などがまるで知らない世界が、このさきにある。
 そう直観した。
 これほど強い人がいるのだから、自分もそうなりたい。
 それはわたしの魂の碁盤に打ち込まれた1手だった」
(本文より)

私は、精神論や技術論も好きだが、それよりもっと
切れば血が滲むようなその人の実体験に基づく
ひりひりとした文章が好きだ。
13歳の夏、
異国での人生を決定づける鮮烈な体験。
私はうらやましいと思った。
私の青春にそんな1コマは無かった。

その他にも院生時代、定石を正しく打ったために
師範代に烈火のごとく叱られたというエピソード。
「何故いつも、本に書いてある様な手ばかり打つのか?
 自分で定石を作るくらいじゃないと駄目だ!」


この時の師範代が、宮沢吾朗6段(当時)
このころから、宮沢吾朗は宮沢吾朗だったんですね(笑)
こうしてレドモンド先生の戦闘的な棋風が出来上がっていく。

現在40代のレドモンド氏だが、
9段になっただけでは満足せず
さらなる高みを目指している。
ピークはまだまだ先にあるのだと…
私の様に遅くに碁を打ち始めたアラフォーには心強い言葉だ。
ぜひ、トップリーグ入り、さらにはタイトル獲得を果たして
その事を証明してみせてほしいと思う。

最後に、この本には囲碁に対する愛がいっぱい詰まっています。
全ての愛棋家におすすめ!

(追記)13歳の夏、私は何に夢中になっていたのだろう?
 思い出してみたんだけれど、
 え~と…クレイジークライマー?

 (こんなの↓)
crazyclimber.jpg
だめだこりゃ(汗)

あなたの13歳の夏は、どうでしたか?
スポンサーサイト

【2012/04/22 15:55】 | 囲碁一般
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック